だいご
こんにちは!SE歴15年以上、SE転職相談員のだいご(⇒プロフィールはこちら)です。
客先常駐SEとか、社内SEとか色んなSEがあるけど、SEやるにはどれがいいんでしょうか?
だいご
たしかにSEにも色んな働き方があるので、迷いますよね。私がおすすめしたいのは、ベンダーSEまたは、社内SEです。
本記事では、SE歴15年以上のだいごが、実際にベンダーSEとして働いた経験をもとに、自分が感じたデメリットを解説します。
私自身、独立系ソフトウェアベンダー会社でSEをしていますが、以前は、大手SIerで客先常駐SEとして働いたり、外資系企業で社内SEをやっていたこともあります。
15年以上のSEキャリアの中で色んなSEを経験したからこそ、それぞれの良い点、悪い点が見えてきました。
そして、それぞれの良さを比較して、トータル的にどれがおすすめなのか話せるようになってきました。
そんな私が考えるおすすめのSEが「社内SE」と「ベンダーSE」です。
それぞれの仕事内容については、次の記事にまとめていますので、参考にしてください。
では、私のおすすめの一つである「ベンダーSE」のデメリットを紹介していきます。
本記事を始めとした各SEの説明記事は、ブックマークしておき、転職先を探す際に、何度も見直しましょう。
特にデメリットについては、入社してから不満として積み重なっていきますので、自分が許容できるものなのか、しっかり考えるべきですよ。
ベンダーSEのデメリット
転職先を探す場合に、どんなSEとして働くのかまずは決定しなければなりません。
決定するには、SEそれぞれのメリットどデメリットを把握し、自分に最も合うものを選択する必要があります。
それでは、ベンチャー企業やソフトウェアベンダーで働いた場合のデメリットを紹介します。
なお、本内容は、中小企業の場合に該当するもので、大きな企業では該当しないものもあるかもしれません。
- その業界でしか働けなくなる
- 会社がつぶれるリスクがある
- 担当範囲が広い
- 部署を変えられない
- プロマネ経験が積めない
1. その業界でしか働けなくなる
ベンダー企業は、システムやソフトウェアを構築して、お客様(ユーザー)に納入します。
ユーザーといっても、電力会社、水道、ガス会社、小売業、運送業など様々な業界でビジネスをやっています。
システム開発を行うにあたって、システムに対する要件定義などを行うのですが、その中で、ユーザーの業務の流れなどヒアリングしつつ、ユーザーの業界について色々な情報を集めることになります。
集めた情報をもとに、システム化することで改善できるポイントや、より成長できるポイントを検討していきます。
そして、これらの情報を集める作業の中で、ユーザーの業務を理解し、代わりに業務に入れるくらいに詳しくなっていくわけです。
しかし、この業界の知識は、専門知識であるため、他の業界ではあまり意味のない知識となってしまいます。
SIer等で客先常駐SEとして働いた場合は、こういうことはなく、薄く広くといった感じでプロジェクトが終わる度に、関連しない全く別のプロジェクトに異動となるのが常です。
ベンダーSEは、ひとつの業界をとことん極められる反面、他の業界に活かせないという残念な面があります。
最近では、2つのジャンルの合わせ技で、相乗効果を狙うということも、ビジネスチャンスを探す上で大切な考え方になっているので、逆に、ビジネスのやりかたによっては、大きなチャンスにつながるとも言えます。
2. 会社がつぶれるリスクがある
中小のベンチャー企業やシステムベンダーだと、自社の稼ぎ頭となるオリジナルのシステムやソフトウェアは多くて2,3個です。
この少ないシステムの中で、機能追加や新規顧客へのシステム納入などを行っていき、売り上げを上げていく必要があります。
当然、ライバル会社とのシェア争いや、失注などによりユーザー数が減ってしまい売り上げが減少してしまうこともあります。
大きい会社であればあるほど、稼ぎ頭となるシステムの数も多く、この影響が少なくなるため、会社がつぶれるリスクも低くなります。
また、会社として新しいシステムの検討、開発も同時に進めていかなければなりません。
既存のシステムだけに頼っていても、「現状維持は退化」といわれるように、攻めの姿勢が必要です。
新規システムを売っていき、旧システムとの連携などで相乗効果を狙い、ユーザーを増やしていかなければなりません。
しかし、この新規システムの開発を行う上で必要な資金や、人員をアサインできるかは、小さい会社であればあるほど、厳しくなります。
大体の会社が、既存ユーザーのサポートだけで手いっぱいになり、新しい稼ぎ頭を作り上げることができません。
3. 担当範囲が広い
中小のベンダーSEは、色々やらなければなりません。
その守備範囲はかなり広いもので、ざっと、やらなければならないことを挙げるてみると次の通りです。
- ユーザーの要望を聞く
- プログラムを作る
- PCにセットアップする
- クラウドで使えるようにする
- サーバーにセットアップする
- ネットワークで使えるようにする
- インターネットに接続する
単純に、対お客様との調整から、プログラム、パソコン、サーバー、ネットワーク、クラウドなど幅広い知識が必要だということがわかります。
少ない人数である分、一人の担当がカバーしなければならない範囲も幅広くなります。
中途で入ってくる人もたくさんいますが、今までやったことのないスキルも求められます。
採用する側もそれは、承知の上で採用しており、しっかりレクチャーもしてくれますので、心配はありませんが、覚えることがたくさんありすぎて、脳みそが追いつきません(^^;
逆に、今まで自分が持っていなかったスキルを付けられるため、中途で入ってきた人には良いチャンスでもあります。
4. 部署を変えられない
中小の場合、社員数がそもそも少ないので部署自体が少なく、異動ができません。
「人間関係で問題があった場合、どうするんだ!?」
「パワハラ上司だったら、どうするんだ!?」
という疑問もあるかと思いますが、こういう問題も発生しづらいのが中小企業の良いところです。
私の職場も、人が少ない分、お互いを助ける気持ちも強く、中途も多いので、同志としてお互いを大切にする気持ちが強いです。
これが大手だと、古株の社員が幅を利かせて派閥ができていたり、付随して、パワハラが横行していたりします。
私の周りでは、意外とメンタルがやられてしまう人の多くは、大手企業に多い感じがします。
仕事をしていく上で、人間関係は大事です。
いくら仕事にやりがいがあっても、人間関係がぎくしゃくしている職場は、楽しくありません。
ベンチャー企業やベンダーであれば、部署を変える必要はありませんので、楽しい職場で、楽しく仕事をしましょう。
5. プロマネ経験が積めない
IT業界は、年齢が上がるにつれて、プロマネ(プロジェクトマネジメント)のスキルと経験も要求されるようになります。
特に30代からの転職では、このプロマネとしてのスキルが要求されるようになりますが、ベンチャーなどの企業で、経験を積むのは難しくなります。
ベンチャーの中でも、SIerを冠している大手であれば、大きなプロジェクトがあるので、チャンスはあるかもしれません。
中小のベンチャーやベンダー企業では、小さいプロジェクトが多いため、基本的にプレイングマネージャーになり、プロジェクト管理をしながら、自分も開発に入るというスタンスがほとんどです。
プロマネとして、メンバーの進捗や課題管理に集中する人自体を確保する余裕がないのが現実です。
私も、プレイングマネージャーとして仕事をしていますが、協力会社のスタッフや、別なソフトウェアベンダーの管理について、厳密な進捗管理ができていない状況です。
本来であれば、見積もり規模(step数)に対して、どのくらい終わっているのか、遅延している担当がいて、リカバリするには人を増やすかなど考える時間があるべきです。
プロマネとしてキャリアアップしていきたい人は、中小ではなく、大手のSIerや大手ベンダーに入ることをオススメします。
まとめ
というわけで、ベンダーSEのデメリットを説明してきました。
若干、中小ならではのデメリットが多くなってしまいましたが、ベンダーSEのデメリットを一言でいうと、SEとして他の会社に転職しづらくなるということです。
その分、業界のコンサルとしてキャリアアップしたり、IT以外の会社に社内SEとして、転職するというチャンスが多いSEだったりします。
また、新しいスキルを習得することに対して、会社としても積極的にバックアップしてくれるので、最新のスキルを習得して、業界を先導していくという大きなやりがいもあります。
私自身も3年以上、ベンダーSEとして働いてみて、色んなスキルと経験をすることができました。
iPadアプリから、クラウドサーバー、データベースなど、SIer時代には携われなかったものですので、非常に新鮮で、自分の成長を感じることができます。
新しいスキルを習得し、自社のプロジェクトを大きくしていくことで、プロマネの経験も積めるようになるでしょう。
本記事では、デメリットを紹介しましたが、メリットもたくさんありますので、次の記事を参考にしてください。
今回紹介したベンダーSEを始めとして、社内SE、客先常駐SEなど色んなSEがあり、どのSEにもメリットとデメリットがあります。
あなたが転職を検討する場合、それぞれのメリットとデメリットをしっかり把握した上で転職先を探しましょう。
だいご
それでは、楽しいSEライフを!
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