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失敗した…。SIer(客先常駐SE)に転職する前に学ぶべき仕事の特徴とデメリット

SIer(客先常駐SE)に転職する前に学ぶべき仕事の特徴とデメリット
SE転職相談員
だいご

こんにちは!SE歴15年以上、SE転職相談員のだいご(⇒プロフィールはこちら)です。

本記事では、客先常駐SE歴10年以上のだいごが、配属先の現場で感じた不満やデメリットを徹底解説します。

こんな人向けの記事

  • SIerへの転職を考えている人
  • 客先常駐SEってどんな働き方なのか知りたい人
  • SES契約ってどんな働き方なのか知りたい人
  • SEに興味がある人

SIerというと、まず真っ先に思い浮かぶのは、「客先常駐」というキーワードです。
実際、SIerで勤務している人の多くは、自社での開発ではなく、客先に常駐して開発を行っていることが大半です。

受注する契約が、請負だとしても、派遣となんら変わらない状態で仕事をすることになります。

そうなってしまう理由は、次の通りです。

  • 開発に必要な参考資料を社外に持ち出せない。
  • お客様(発注側)がプロジェクトを管理しやすい
  • コミュニケーションがとりやすい

というような理由で、客先常駐となっていまうことが多いのです。

私自身も長い間、請負契約なのに客先常駐SEとして、お客様の事務所で働いていました。
本記事では、10年以上の客先常駐SEの経験を踏まえて、現場で感じたデメリットなどを解説していきます。

客先常駐SEの仕事

SIerがお客様との契約を結ぶ際に、何種類かの契約形態があります。
しかし、実態として、請負契約となっているプロジェクトも、SES契約となっているプロジェクトも、派遣契約とあまり変わらないのが現状です。

そのため、SIerの多くは、客先常駐の仕事がメインとなっていきます。

中には、自社サービスの開発部署に運よく入って、自社での開発業務に携わることもできますが、だいたい、そういう場所は、スキル的にも突き抜けた人が、集まる部署となっていて、私のような普通の人は入れません。

私もSIerで10年以上働き、色々なプロジェクトに携わりました。
具体的なプロジェクト名などは出せませんが、おおよそ次の通りです。

  • キャリアのシステム監視
  • キャリアのシステムテスト
  • キャリアのシステム開発
  • メーカーのシステム開発
  • メーカーのデバイス開発

どこもこれも、学生時代からやりたかったことでしたし、世の中を便利にするやりがいのある仕事でした。

ウォータフォールでの開発が主流でしたが、基本設計BI~総合試験SEという各工程のなかで、BDからSTまで網羅させてもらいました。
BIは基本的にお客様であるメーカー側でやることが多かったです。

客先常駐SEの特徴

では、客先常駐の仕事ってどんな感じなんでしょうか。
大まかな仕事の特徴は次の通りです。

客先常駐SEの仕事の特徴

  1. お客様の管理の下で働く
  2. 本当の上司から自分の仕事は直接管理されない
  3. お客様から許可をもらって休暇を取得する
  4. 月に一回、自社に戻って事務処理をする

①お客様の管理の下で働く

客先常駐SEは基本的にお客様(キャリアやメーカー)の社員の下で働くことになります。
プロジェクトの進捗の管理、作業指示もお客様から直接受けることになります。
一般的な会社は、直属の上司から仕事を指示され、自分の仕事を管理されるわけですが、SEの世界は特別です。
法律としてグレーな部分があるため、派遣契約となんら変わらない状態となっているのです。
SEとして働いたことがない人からすると、意外かもしれません。

②本当の上司から自分の仕事は直接管理されない

前項と関連しますが、管理や指示はお客様からされるのに対して、本当の自社の上司はどうしているかというと、お客様の指示で行っている仕事の内容について、把握しておき、作業進捗に遅れがないか、過剰な残業状況となっていないか、横の立場から監視するイメージです。
どちらかというと、勤怠の管理がメインというイメージです。

③お客様から許可をもらって休暇を取得する

有休休暇などの休みをとる場合は、事前にお客様から許可をもらう必要があります。
許可されたら、自社の上司に報告して、めでたく有休取得となるわけです。
有休取得に前向きで理解のあるお客様であればいいですが、下請けから搾り取りたいという考え方をもっているお客様のもとでは、取得が厳しいです。
下手に有休をとろうもんなら、評価に影響して、仕事が減った時に真っ先に契約終了です。

④月に一回、自社に戻って事務処理をする

月に一回、勤務表を締めるために、自社に行くことができます。
普段は、常駐先の社員として身も心も捧げるわけですが、この時だけ、自分の会社のことを思い出します。
それぞれのお客様のところにちりじりとなっている社員が集まる、唯一のタイミングであるため、部会などの打合せが行われます。
この中で、今後の事業見通しなどの説明が行われます。

客先常駐SEのデメリット

自社で働くのではなく、お客様のところで働く訳ですから、様々なデメリットがあります。
想像しただけで、色々不便そうですよね。
何と言っても、自分の事務所ではないですし、お客様と同じ空間で仕事をする訳ですから、不自由なこと以外ありません。

では、具体的にどんなデメリットがあるのか見ていきましょう。
私が、客先常駐SEを通して感じたデメリットは次の通りです。

客先常駐SEのデメリット

  1. 社員章を付けられない
  2. 休む時は2か所から合意をもらう
  3. プロジェクトマネジメントの経験が得られない
  4. 設計工程やテスト工程は長期出張になる
  5. プロジェクト毎に職場が変わる

①社員章を付けられない

常駐先の社員として働いているため、常駐先のさらに先のお客様であるエンドユーザーとの打ち合わせには、身分(自分の本当の会社)を隠して参加します。
自己紹介をするときも、自分の会社名を言うことはできません。
あくまでも受注契約を頂いている会社の名前を名乗ります。
もちろん、スーツに社員章をつけることもできません。
社員章は、そもそも受け取っていないか、自社の自席においてあるのが普通です。
自社に席がない場合も多いのが現実で、使用しないものの自席があるだけ、マシだったりします。
今の時代、社員章って。。。っという時代かもしれませんし、「社畜はごめんだ!」というかたには、むしろありがたい限りかもしれませんね。

②休む時は2か所から合意をもらう

有休を取得する時は、まず、お客様から許可を頂かなければなりません。
契約解除になるかもしれないという、リスクを踏まえて申請しなければなりません。
お客様から許可が下りれば、自社の上司に報告です。
相談ではなく、お客様が許可したなら、OKという考え方です。

③プロジェクトマネジメントの経験が得られない

客先常駐SEはお客様の下で働くことになります。
その為、お客様がプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとなり、自分たちは、その配下で働くことになります。
SEといえば、プロジェクトマネージャーなどの経験を積んで、キャリアアップしていく必要がありますが、客先常駐SEは難しいです。
キャリアアップするための知識や経験を積むことができないのです。

④設計工程やテスト工程は長期出張になる

大手SIerで仕事していると、携わるプロジェクトもかなり大きいものが多くなります。
大きいプロジェクトほど、各設計、開発工程の期間も大きくなります。
結合試験や、総合試験となると、自社でのテストが難しくなり、エンドユーザーの自社ビル等にいかないとテストを行う環境がないことが多々あります。
東京で仕事をしていても、テスト工程だけは大阪のお客様のところに詰めて仕事をすることも多々あります。
たいていの場合は、テスト工程を行っている間、長期出長となります。

⑤プロジェクト毎に職場が変わる

ひとつのプロジェクトが終わると、次のお客様のプロジェクトに異動します。
お客様が変わるということは、常駐先も変わってしまうということです。

その為、プロジェクトが終わる度に、次の通勤先がどこになるのはビクビクしなければなりません。
近いところならいいですが、運しだいで、通勤が大変な場所にアサインされしまう場合があります。

まとめ

みんなで楽しく

というわけで、大手SIerでの客先常駐SEの仕事について解説しました。

これからSEとして転職を考えている人、SEになりたい人に参考になればと思います。

システムエンジニアといっても、色々な職種に細分化されますが、その中でも、客先常駐SEという働き方をしている方は、かなり多いです。

土木、建築業界のゼネコンを頂点としたピラミッド構造は、IT業界にもあります。
メーカーやキャリア、行政機関を頂点として、その頂点から仕事をもらっている会社がSIerとなるわけです。

色々な客先で仕事ができていい面もありますが、仕事をするうえで今回、紹介したようなデメリットもあります。

15年以上に渡って様々なSEとして働てきましたが、もし「どのSEをおすすめしますか?」と言われたら、「社内SE」または「ベンダーSE」と自信をもって答えます。

私がおすすめするSEの仕事内容については、次の記事を参考にしてください。

実際に働いた経験をもとに赤裸々にまとめています(^^;

しっかり、色々な種類のSEについて仕事内容を理解し、転職先をどこにするか、じっくり検討しましょう。

SE転職相談員
だいご

それでは、楽しいSEライフを!

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