だいご
こんにちは!SE歴15年以上、SE転職相談員のだいご(⇒プロフィールはこちら)です。
本記事では、SIer(※)で客先常駐SE歴 10年以上のだいごが、客先常駐SEの一日の仕事内容と、現場で感じたことを解説します。
※SIer → 自社オリジナルのシステムではなく、他社のシステム開発を請け負う会社
こんな人向けの記事
- SIerへの転職を考えている人
- 客先常駐SEってどんな働き方なのか知りたい人
- SES契約ってどんな働き方なのか知りたい人
- SEに興味がある人
Aさん
客先常駐SEって、お客様のところに常駐して、開発業務に携われるSEだよね?
半分くらい当たってます。
実態としては、開発業務だけではありません。
保守業務といわれる仕事をする場合もあります。
本記事では、この2つの業務(開発と保守)についても、そのからくりも含めて解説しています。
客先常駐SEの2大業務
SIerというと受注する仕事の種類も幅広く、みなさんが想像しているような、本来のソフトウェア開発だけでなく、監視センター(キャリアや電力などの24時間監視を行うオペレーションセンター)でのシステムの監視業務なんかもやっていたりします。
業界では、この監視業務を保守業務と言います。
客先常駐SEとして、SIerで携わる仕事には、大きく分けて2つの業務があります。
- 開発業務
- 保守業務
①開発業務とは
開発業務とは、みなさんが一般的に想像している業務かと思います。
お客様の依頼を受けて、要望事項をまとめ、システムとして構築していく業務になります。
開発業務を通して、お客様の要件分析をして、それをシステム化していく過程で、SEとしてのスキルがついていきます。
自分の将来を考えたときに一番自分のためになるのが、開発業務です。
もう一つの保守業務では、なかなか自分のスキルを上げることができません。
SEとして仕事をしていきたいなら、やはり、開発業務に携わっていくことが必須です。
②保守業務とは
対して、保守業務というのは、自社で開発に携わったシステムに対して、運用開始後にアフターケア(保守、運用サポート)を行っていくための業務になります。
お客様(キャリアやメーカー)側では、こういった保守に対して極力、人員等のリソースを割きたくないため、人員のアサインを下請けである、SIerに丸投げします。
そうすることで、直接利益を生まず、生産性のない工程にリソースをかけないようにします。
もちろん、中間マージンはしっかりとったうえで、SIerに依頼します。。。
SIerとしては、開発と保守をセットで契約しているため、依頼を断ることはできません。
監視センターがあるような巨大システムの場合、保守業務自体もかなりの高額の契約となりますので、SIerとしては契約しない選択はありません。
そして、アサインする人員は、新人などのスキルが低い人、開発現場で使えない人が対象となります。
「ソフトウェア開発をしたい!」という熱い思いを持って入社した新人に待ち受けるのは、開発業務ではなく、保守業務だったという残念な話もよくあります。
保守業務にアサインされると、SEとしてソフトウェア開発のスキルを伸ばしたいのに、肝心の開発スキルを伸ばせません。
私自身も長い客先常駐SE人生の中で、1/3くらいは保守業務をやっていました。
客先常駐SEの一日
では、客先常駐SEが具体的にどんな風に仕事をしているのか、一日の流れを見ていきましょう。
まずは、運良くシステム開発業務にアサインされた場合からです。
①客先常駐SEの一日【開発業務編】
下記は、私が実際にメーカーに常駐して、電子機器の開発に携わっていた当時の様子です。
そこでは、電気機器のUSBケーブルの通信ソフトや、ブルートゥース通信ソフトなどの開発に携わっていました。
8:30 | 出社、メールチェックなど |
9:00 | チームミーティング |
9:30 | 設計作業 |
10:00 | 問題解析、対処ファイルの提供 |
11:00 | 設計作業 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 次期システムの見積もり |
14:00 | 他開発部署との会議 |
15:00 | 設計作業 |
16:00 | 工程レビュー |
17:00 | レビュー報告書作成 |
17:30 | 定時 |
18:00 | 残業して設計作業 |
解説
お客様とのチームミーティングを行った後は、もくもくと開発作業を進めていく感じです。
デスクでの仕事が多いですが、作成した設計書やプログラムをレビューしたり、ソフトウェアの仕様を他部門と調整するために、打合せも結構あります。
やはり、SEといってもソフトウェア作るだけではだめです。
他の担当者や、他部門との調整が必要ですので、コミュニケーション能力も要求されます。
②客先常駐SEの一日【保守業務編】
では、続いて残念ながら、保守業務にアサインされた場合の一日を解説します。
下記は、私が大手キャリアのオペレーションセンターに常駐して、自社が開発に携わったシステムの監視業務にアサインされた時の一日です。
9:00 | 出社、メールチェックなど |
9:15 | チームミーティング |
9:30 | 前夜のシステムチェックと報告書作成 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | システム監視をしながら勉強 |
14:00 | システムエラー発生、復旧対応 |
15:00 | システムエラーの対応報告 |
17:00 | 作業報告書作成、夜勤メンバー引継ぎ |
18:00 | 定時 |
解説
監視業務の現場は緩いです。
自社も開発に携わったプロジェクトにて、開発プロジェクトの延長として、システム監視業務(保守と言われるもの)も受注することが多いのが現実です。
仕事をもらっている都合上、SIerは断れません。
現場では、システムの監視と報告がメインとなり、特に何も問題がなければ、何もすることがなくて暇です。
暇な時間となってしまいますが、監視しているシステムの勉強をしっかりやっておくことで、仕様を理解することができます。
仕様を理解しておくと、次期アップデートの際に、開発にアサインされる可能性が高くなりますので、あきらめてはいけません。
また、システム運用の最前線にいますので、お客様であるメーカーやキャリアに対して、名前と顔を売るチャンスでもあります。
まとめ
というわけで、大手SIerでの客先常駐SEの一日をそれぞれ解説してきました。
システム開発業務と、保守業務の大きく二つの種類に分けて解説しましたが、現実、このどちらかにアサインされます。
新人でスキルがないときに保守業務にアサインされて、「おれがやりたかったことじゃない。。。」と辞めていく人も結構います。
我慢して、システム開発業務にアサインされるのを待ち、アサインされた場所で、仕事ができることをアピールすることで、開発業務を続けることができます。
保守業務にアサインされたとしても、腐れずに、前向きに動けた人は、会社からも認められ、評価もされていくことは忘れてはいけません。
なお、客先常駐SEとして働いた場合のメリットとデメリットは次の記事にまとめています。
だいご
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